福岡開催のレクチャーシリーズが8月末と9月頭と1週間間隔でありましたので、

今回は8月に参加した2つのセミナーと9月に参加した1つのセミナーについて報告させて頂きます。

 

まずは8月に福岡で開催されたセミナーについてです。

テーマは「心エコー図検査」、講師は竹村直行先生でした。

 

近年心エコー検査を行う超音波装置の発展・発達のおかげで、心臓循環器疾患の診療においてエコー検査は必要不可欠なものになっています。

そのため、基本的な検査法や観察ポイントについてしっかり2時間の講演でした。

 

エコーでは異常血流(逆流や高速血流)や構造異常、心臓の動きの異常が認められないか検査します。

しかしながら心臓病の専門家でも測定に10~20%の誤差が生じると言われています。

誤差を少なくする工夫や、誤差を認識した上での結果の解釈についても勉強することが出来ました。

 

 

次に9月に福岡で開催されたセミナーについてです。

テーマは「僧帽弁閉鎖不全症の診断・治療(前編)」、講師は竹村直行先生でした。

 

僧帽弁閉鎖不全症というと、心臓循環器疾患の中で最も来院件数の多い疾患です。

原因治療として心臓手術という方法もあるのですが、手術可能な施設の数が少ないことや費用(100万円前後)の問題から手術が出来る方は限られます。

ですから多くの患者さんは、内服薬や食事療法を用いて心臓病の進行をゆっくりにしていく治療を行います。

 

わんちゃんでは非常に多い疾患ですので、毎年様々な研究・報告がなされています。

内容や新しいトピックスも多いので、3回に分けて計6時間僧帽弁閉鎖不全症について講演がある予定です。

今回は診断と重症度分類、軽症例の治療についてでした。とても勉強になる2時間でした。

 

 

最後に広島での皮膚科専門診療の見学についてです。

夏は皮膚病が悪化しやすく、それまで落ち着いていた症例も痒みがぶり返したり、症状が悪化し

やすい季節です。

そんな夏の皮膚科見学はとても勉強になります。

また、当院で治療している症例や疑問点などもアジア獣医皮膚科専門医に直接相談出来ることもあり、とても有用な時間を過ごすことが出来ました。