6月に参加した2つのセミナーの報告をさせて頂きます。

 

まず1つ目はJBVPセミナーです。

テーマは「心電図検査:心電図波形の成り立ちと心拡大の評価」、講師は竹村直行先生でした。

 

心電図検査から得られる情報として、心拍数や不整脈、自律神経活性、心臓の拡大、電解質酸塩基平衡が挙げられます。

心拍数は聴診器、心臓の拡大はレントゲン検査や超音波検査、電解質酸塩基平衡は血液検査でも分かります。

しかし不整脈に関しては、聴診で疑うことは出来ますが心電図以外の検査で確定することは困難であり、欠く事の出来ない検査です。

 

心電図検査ではP波、Q波、R波、S波、T波、Ⅰ誘導、Ⅱ誘導、Ⅲ誘導、aVR誘導、aVL誘導、aVF誘導など一見しただけでは混乱してしまいそうな用語があります。

単純な暗記に陥ってしまいそうになるこれらに関して、定義から丁寧に教えて頂くことでより理解を含めることができました。

今回は心電図の基礎に関する講演で、次回が注意すべき不整脈についての講演ということなので、次回も楽しみです。

 

 

2つ目は東京で2日間にわたり開催された第15回 日本獣医がん学会です。

メインシンポジウムは「頭頚部扁平上皮癌」、その他にも教育講演や一般口演、フロア参加型のレクチャーなどもありました。

 

扁平上皮癌というのは、皮膚や粘膜の表面にある扁平上皮という細胞が腫瘍化した悪性腫瘍です。

皮膚や粘膜の表面にある細胞が癌化したものなので、体の様々な部位で発生します。

イヌでも、ネコでも発生率の高い腫瘍であると言われています。

 

同じ扁平上皮癌が頭部や頸部に発生したとしても、

口に発生したもの、鼻に発生したもの、耳に発生したもの、まぶたに発生したもの、皮膚に発生したもので、

全く臨床的な挙動(進行の速さや治療に対する反応性)が異なります。

つまり扁平上皮癌という診断を下した場合、発生した場所を考慮して治療を組みたてなければいけません。

 

このように発生率が高く、同じ腫瘍でも様々な挙動をとり経過の異なる扁平上皮癌について、

細胞診検査、病理検査、画像診断検査、外科治療、内科治療と放射線治療、そして総合討論に分けて、各界の著名な先生の講演を連続的に聴くことができました。

 

またその他の教育講演やフロア参加型セミナーも大変興味深く受講し、多くの知識が得られました。

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写真はがん学会の抄録と、羽田空港で購入したスタッフへのお土産のお菓子でした。