2016年2回目の報告です。

 

今回は1月後半に参加した2つのセミナーの報告をさせて頂きます。

まずは毎月福岡で開催されているJBVPレクチャーシリーズです。

今回のテーマは「犬と猫の大腸疾患」、講師はこれまで同様中島亘先生でした。

犬の大腸には良性のポリープや悪性腫瘍も発生しますが、特に日本のミニチュアダックスフントを中心に炎症性ポリープという独特な病気があります。

ポリープや悪性腫瘍は外科的切除が基本なのですが、炎症性ポリープは外科だけでなく内科療法も選択肢になります。それらの選択の考え方など今回も有意義な話が聞けました。

また猫の消化管の好酸球性硬化性線維増殖症という2003年に初報告された疾患についての知識も得ることが出来ました。

 

2つめは獣医オゾン療法セミナーです。

オゾン療法と聞いてもあまり馴染みのない方も多いとは思いますが、ヒトでも一部の施設で実施されており、獣医オゾン療法セミナーも今回で11回目だったようです。

一般に身近なオゾンというとオゾン殺菌という言葉は聞いたことがあるかもしれません。

オゾンには殺菌効果があり、高濃度に暴露すると毒性を示すこともあります。しかし低濃度で作用させると傷の治りの活性化や組織への酸素供給改善、抗酸化作用や免疫陽性などのさまざまな有用な効果を示すそうです。

実際の適応にあたっては、1回で効果が認められるわけではなく数回の治療を継続していくことで種々の疾患に効果が期待されています。

また副作用もほとんどないと言われており、安全性の高い治療だとも言われています。

当院でもオゾン療法は実施しておりますので興味のある方は是非スタッフまでお声がけください。

 

最後に下の写真は自分が翻訳に参加した腫瘍学の本が1月に発売され、出版社から完成品が献本されてきましたのでその本の画像を載せました。実際に翻訳作業をしていたのは約2年前だったのですが、完成した実物を見ると嬉しいものです。

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