9月13日(日曜日)に博多で開催された「酪小獣九州ブロック診療技術研修会」に参加してきました。

この研修会は、酪農学園大学獣医学部を卒業された同窓生の集まりで、九州・山口の小動物開業の先生方の研修会で年に1~2回、酪農学園大学から現役の教授クラスの先生方を招聘し研修会を開催されています。

僕は、酪農学園の卒業生ではありませんが、ご縁があり毎年参加させて頂いています。

 

今回は酪農学園大学獣医学群 獣医学科 伴侶動物医療分野 中出哲也教授  が 「インターベンショナルラジオロジー」について約2時間の講演がありました。

インターベンショナルテクノロジー  って聞きなれない言葉ですが、  Interventional Radiology というもので、的確な日本語訳はないそうです。

何をするかというと、Ⅹ線透視、CT、MRIなどの画像診断機器を用いながらカテーテルテクニックまたは穿刺術を利用した治療法です。「カテーテル治療」とか「血管内治療」とも呼ばれているそうです。

と、読んでもちょっと解りませんね。

今回は、犬の動脈管開存症という病気の治療と手術が不適応となった肝細胞がんに対するカテーテル治療について実際の映像を見ながら研修を受けました。

 

犬の動脈管開存症のカテーテル治療

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後ろ足の動脈からカテーテルを挿入し、大動脈を進み心臓の異常部に穴をふさぐデバイスを設置しているところです。

 

肝細胞がんに対する経カテーテル動脈栓塞化学療法

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やはり後ろ足の動脈からカテーテルを挿入し、大動脈を進み肝臓に血液を供給する肝動脈に抗がん剤を注入するという治療

 

このような治療については、テレビでの人間の医療のドキュメンタリー番組などで見たことはありましたが、実際の器具(カテーテルなど)は初めて見ましたし、実際に犬に応用した事例は初めて見ました。

また、この技術はすぐにどこの動物病院でもできる治療ではありませんが、地域の拠点となる大学病院などでは近い将来、受けることのできる治療になる可能性はあると思います。

動物医療の技術も着実の進んでいることを実感しました。                              文責  平田